校長室より  校長 鈴木 斎 

 

 

2020年4月8日 令和2年度入学式 式辞

 校庭の桜や草木に春の息吹が感じられる今日の佳き日に、ご来賓の皆様、保護者の皆様のご臨席を賜り、かくも厳粛に、令和2年度愛媛県立土居高等学校入学式を挙行できますことは、教職員一同の大きな喜びであります。

 ただ今、入学を許可いたしました85名の新入生の皆さん、入学おめでとう。皆さんの本校への入学を心から祝福し、そして歓迎いたします。

 また、保護者の皆様におかれましては、立派に成長されたお子様の晴れ姿に、感慨もひとしおのことと拝察いたしますとともに、衷心よりお慶び申し上げます。

 さて、新入生の皆さんは、去る3月17日に たくさんの人達に祝福され、それぞれの中学校を卒業しました。巣立ちの時を迎えた皆さんに、皆さんの担任の先生はどんな話をしてくれましたか。皆さんと別れなければならないことへの悲しみや寂しさ、皆さんに出会えたことへの喜びや感謝、皆さんの希望に満ちた将来への激励や期待、そんな語りつくすことのできない思いを、心を込めて話してくれたのではないでしょうか。

 本日は、新入生の皆さんに、エベレストをはじめとした世界の/標高8000メートルを超える14の山々、そのすべての登頂に日本人として初めて成功した登山家竹内洋岳さんの高校時代の恩師が、卒業式後の最後のホームルームで、学び舎を巣立とうとしている生徒たちに贈った短いはなむけの言葉を紹介したいと思います。それは、「前だけが人生だ」という言葉です。私たちは、物事がうまくいかなくなると、昔の出来事のせいにしてしまうことがあります。でも、過去にとらわれすぎていると、私たちは前に進むことはできません。皆さんも、これから始まる高校生活の中で、何かの困難や障害に出会うことが必ずあると思います。そんなときは、過去を悔いたり言い訳をしたりすることよりも、「前だけが人生だ」という言葉を思い出して、「将来自分はどんな人間になりたいのか」、「将来自分は何がしたいのか」、そんなことに思いを巡らせながら、一歩一歩、それぞれの歩みを進めてください。

  終わりになりましたが、保護者の皆様、本日をもちまして、お子様は本校の生徒となりました。皆様がこれまで手塩にかけて大切に育てられてきたお子様のさらなる成長は、保護者の皆様、そして私たち教職員の共通の願いです。お互いのお互いに対する理解と信頼を子どもたちの成長を後押しする大きな力に変えて、誠心誠意、全力で、教育活動に取り組んでいく決意でございますので、ご理解・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

 新入生の皆さんが、本日の感激を忘れることなく、前途洋々たる未来に向けて、有意義な高校生活を送られることを期待して、式辞といたします。


2020年4月8日 令和2年度始業式 式辞 

 皆さん、おはようございます。

 最初に、新型コロナウイルス感染拡大という状況の中、「世の中に命より大切なものなどない」ということを再確認し、「私たち自身の命を守るため」、「私たちの家族、友人など大切な人たちの命を守るため」、「私たちが生かされている社会を守るため」、感染予防に関して、学校内外での生活について細心かつ十分な注意を払ってもらうよう、改めてお願いいたします。今はもう、「自分は感染するはずがない」と考えることのできる時期ではないと思います。「もしかしたら自分も感染するかもしれない」と本気で考えなければならない時期を迎えていると思います。

 さて、皆さんは、約1か月間に及ぶ臨時休業の間、登校して、授業を受けて、部活動に励む、そんな、「それまでは当たり前だと思っていたこと」ができない状況の中で、どんな気持ちで毎日を過ごしていましたか。

 「当たり前」ということに関して、柔道男子90キロ級東京オリンピック日本代表内定選手、向 翔一郎(むかい しょういちろう)選手は、あるインタビューで、こんな風に話されています。

 自分のなかで成長したと思うことは、感謝する気持ち。誰かがいて当たり前、何かがあって当たり前じゃないということを学び、そういった感謝の気持ちができたことで今の自分がいると思います。

 繰り返します。

 自分のなかで成長したと思うことは、感謝する気持ち。誰かがいて当たり前、何かがあって当たり前じゃないということを学び、そういった感謝の気持ちができたことで今の自分がいると思います。

 彼は、「それまで当たり前だと思っていたこと」が実は当たり前でないということに気づけたことが、自らの成長の原動力だと話されています。

 世界には、貧困、紛争、災害など様々な理由で学校に通うことのできない子どもたちがたくさんいます。ある統計によれば、現在、就学年齢に達しても小学校に通うことのできない子どもたちは世界中で約6,700万人いると言われています。世界規模で見れば、学校に通えることは、決して当たり前ではないということです。

 そんな中で、本日、様々な制限の中ではありますが、私たちは、新しい学年をともにスタートすることができます。令和2年度が、私たち一人一人に「命の大切さ」そして「感謝することの大切さ」を教えてくれる飛躍の年になることを期待して、式辞といたします。