土居高校情報科学部 世界遺産プロジェクト 海浜プラスチックの調査

2022年7月26日 16時00分

   ヘンダーソン島は、南太平洋に浮かぶ、地球上のあらゆる場所からも遠く離れた絶海の孤島です。この環境のおかげで自然が保たれ「ユネスコ世界遺産」にも登録されました。しかしこの島に、最近異変が起きています。それは、白い砂浜にあふれている世界各国から流れ着いているプラスチックゴミです。これらのゴミは、世界の海を漂って海流に乗って1日3,500個というペースで島の海岸に打ち上げられています。このように海を漂うプラスチックゴミは、世界規模で進行する深刻な環境汚染問題として国際的に関心が高まっています。わが国も例外ではなく、冬の日本海側の海では、毎年季節風の影響を受けて大量のプラスチックゴミが漂着するなど大きな問題となっています。

 そこで土居高校情報科学部では、令和4年6月11日(土)校内にて地元海岸で収集したプラスチックなどの漂着ゴミ(5袋)の分類調査を行いました。地元の海浜にもプラスチックゴミが漂着しているのか、プラスチックゴミが細粒化し海浜砂にまみれているのか という疑問の解決を目指しました。

 調査結果は、漂着ゴミのほとんどはペットボトル(156個)で占められていました。そのすべては日本製でした。ペットボトル以外では、発砲スチロールが目立ちました。粉々になって、細粒化されていました。ほかにも、ビン、缶、コード、ラジコン機器、DVDなどがありました。なかには、カミソリやガスボンベ、化粧品などもあって驚きました。海中を漂うマイクロプラスチックについては、発泡スチロール片や漁具の網などが確認できました。また、両手で取れる程度の海浜砂を採集し、発泡スチロール片とペットボトルのラベルが細粒化されたプラスチック片を確認できました。

 調査を終えて、わずか1時間少々で5袋がいっぱいになるなど、ペットボトル漂着ゴミのあまりに多さに衝撃を受けました。海洋プラスチック汚染問題の深刻さを実感するとともに、私たち日本人が大量の海洋プラスチックゴミを捨てていることが分かりました。問題を解決するために、私たちの道徳心や環境意識を改善する必要があると思いました。自然環境保全についての正しい知識を学び、私たち自身が意識を変え行動に移さなければならないと実感しました。